『正体』
映画.COMより引用
作品情報
2022年公開の『余命10年』が興行収入30億円を超える社会現象を巻き起こし、最新作「青春18×2 君へと続く道」(24)が日本のみならず
現在アジア各国で大ヒットを記録中の藤井道人監督が手掛ける、
極上のサスペンスエンタティンメントが誕生。
日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され死刑判決を受けたが脱走し潜伏を続ける主人公・鏑木。鏑木を演じるのは、2025年ー NHK大河ドラマの主役にも抜擢され国民的俳優の地位を確かなものにしている横浜流星。
【5つの顔を持つ】逃亡兆という難役に挑む。薬井監督とは長編劇場映画では今回で「青の帰り道』(18)「ヴィレッジ』(23)に続き3回目のタッグとなる。
横浜にとって、クランクイン前から遡ること約3年もの間、藤井監督と脚本やセリフなどのやりとりをし準備を進めてきた作品であり、「非常に思い入れのある作品」と語る。
ほかメインキャストに吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、さらに山田孝之と、本作への出演を熱望した“主演級”の豪華キャストが集結。藤井組に俳優として出演するのは、全員今回が初となる。
吉岡里帆が演じる沙耶香は、東京でフリーライターをしている鍋木が、家がないところを助け、一緒に暮らし指名手配犯だと気づくが彼の無実を言じる。
森本慎太郎が演じる和也は、大阪の日雇い労働者として共に工事現場で働く鏑木と親しい友人となるが、池人ではないかと疑う。
山田杏奈が演じる舞は、長野の介護施設で働く鏑木と出会い恋心を抱く。
山田孝之演じる刑事の又貫は、潜伏しながら各地に出没し日本を縦断していく鏑木を追う。
しかし、4人が出会った鏑木は、
それぞれまったく違う姿をしていたー。
4人の視点から描かれる、鏑木の正体。
顔を変えながら各地を転々とする鏑木の真の[目的]とはー。
鏑木、沙耶香、和也、舞、又貫が
最後に見た《真実》に心揺さぶられる。
公式より引用
あらすじ
日本中を震撼させた凶悪な殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)が脱走した。
潜伏し逃走を続ける鏑木と日本各地で出会った沙耶香(吉岡里帆)、和也(森本慎太郎)、舞(山田杏奈)そして彼を追う刑事・又貫(山田孝之)。
又貫は沙耶香らを取り調べるが、それぞれ出会った鏑木はまったく別人のような姿だった。
間一髪の逃走を繰り返す343日間。
彼の正体とは?
そして顔を変えながら日本を縦断する鏑木の【真の目的】とは。
その真相が明らかになったとき、
信じる想いに心震える、感動のサスペンス。
公式より引用
主な登場人物の紹介
主人公・鏑木慶一…横浜流星
日本中を震撼させた殺人事件の容疑者。逮捕され死刑判決を受けたが脱走し、逃亡し続ける。死刑囚「鏑木慶一」、日雇い労働者の「ベンゾー」、フリーライターの「那須」、水産加工工場で勤務する「久間」、介護職員「桜井」、“5つの顔”を使い分けながら日本各地を潜伏する。
沙耶香…吉岡里帆
東京で働くライター。同じ会社で働く鏑木の文才を評価し、ネットカフェで生活していた鏑木を助ける。ともに暮らすなかで鏑木が指名手配犯だと気づくが、彼の無実を強く信じている。
和也…森本慎太郎
大阪の日雇い労働者。同じ工事現場で働く鏑木に助けてもらったことから仲を深めるが、実は彼が指名手配犯ではないかと疑っている。
舞…山田杏奈
長野の介護施設で働く。同じ施設に勤める鏑木に恋心のような尊敬を抱く。
又貫…山田孝之
刑事。鏑木に逃げられたことで、上層部からプレッシャーをかけられている。日本各地を転々としながら逃走を続ける鏑木を必死に追う。
fashion-press.netより引用
感想・魅力を感じた所
藤井道人作品史上最高傑作だと思っています。
葛藤する山田孝之の表情が最高でしたね。
作品内で一番苦しい思いをしているのは、
間違いなく鏑木(横浜流星)ではあると思いますが、
刑事である又貫(山田孝之)も相当苦しい思いを
しているように思えました。
そもそも彼がちゃんと捜査をしていればこんなことにはならなかったって思う所もありますが、上司からの圧力もありそんな簡単にいく話ではないんですよね。それが、ある程度権力と地位を持ったが故の彼の弱さでもありますが、終盤にはそんな彼が一歩、人として成長するところが好きです。
確信ではないにしても、又貫は心のどこかで本当は鏑木が犯人でないことが分かっているように見えました。
殺害現場は、証拠が見つからず、現場には血に染まった鎌を持ち、血飛沫を浴びた高校生と、あまりに凄惨な光景を見てしまって錯乱状態の被害者の母。
本当の犯人を探すより高校生を犯人にしてしまった方が、
警察としても手間が省けるし、都合が良いと上司から言われ、
有罪になり、死刑判決が言い渡される高校生。
ひとりの高校生の人生を滅茶苦茶にしてしまったこと。
自分が彼の人生を奪ってしまったこと。
悪夢でうなされ、自責の念に苛まれ、
決定的な場面で、彼は二度も鏑木を撃てなかった。
ここ良いんですよね。痺れました。
もちろん鏑木の逃走中に出会う人との繋がりで、
人生の素晴らしさ、人の優しさに気づくところも本作の魅力だとは思うのですが、刑事の又貫(山田孝之)が人として大事なものを失ってなくて、あまりにも人間臭くて最高でした。
作中ずっと罪悪感を纏いながら捜査を進める又貫ですが、
誤認逮捕の可能性があると記者会見で発表してからの彼は凄く生き生きして見えます。
裁判での有罪判決の冒頭と無罪判決の終盤の
鏑木と又貫が目を合わせるシーンの対比。
セリフがなくても二人の声が聞こえてくるような
このシーンも凄く好きです。
最後に
サスペンスは自分には合わないと思って鑑賞を見送っている方、
勿体無いです!この作品はヒューマンドラマ好きに刺さります。